浮気の定理
涼子の選択①
「はじめまして、真由の高校からの友達で、長谷川涼子と言います。よろしくお願いしますね?」



車で迎えに来てくれた真由の彼に、私はいつもより丁寧に挨拶をした。



「こちらこそよろしくお願いします。山本瑛太です」



気持ちのいい挨拶をしてくれる、爽やかな人だなというのが彼の第一印象だ。



「へぇ~、山本くんて、瑛太って言うんだぁ

知らなかった」



「ちょっ!真由ちゃん?

最初に会ったとき、俺、自己紹介したよね?

知らなかったって……」



真由のありえない言葉に絶句する山本くん。



桃子は横で吹き出して笑ってる。



なんだか三人の不思議な関係が、羨ましいなって思ってる自分がいた。
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