浮気の定理
だから……



夫である前に、勇にも花の父親であって欲しいと願ってしまう。



その溝は、幼稚園に花が入ってから3ヶ月余りの間に、どんどん広がっていた。



勇の言うことしか聞けなかった自分が、こんな風に思えるようになったのは、ありさたちを見てきたからかもしれない。



守るべきものを彼女たちはしっかりと守ってる。



私が守らなきゃならないのは、花だと思うから……



だけど、私は守りきれなかった。



ボロボロになった体は限界で、それ以上反論することが出来なかったのだ。
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