浮気の定理

ようやく私が落ち着いた頃、詳しい話を桃子がしてくれた。



弁護士から提示された事柄を、わかりやすく丁寧に伝えてくれている。



母は神妙な面持ちでじっとそれを聞いていたけれど、やがてふぅ~と大きく息を吐いた。



「わかった、お母さんも協力するから

涼子と花にこれ以上、辛い思いさせられないものね?」



それから思い立ったように立ち上がると、弁護士の話なんか無かったかのように、話し出す。



「せっかくみんなが集まったんだから、今夜は久しぶりにすき焼きにしましょう?

みんな、食べていってね?」
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