浮気の定理
「……わかった。ありがとう、涼子」



お礼を言われる筋合いはない。



ありさだってきっと苦しんだに違いないんだから……



遊びと割り切れるほど、ありさはいい加減じゃない。



だとしたら、本気の恋だったのかもしれない。



それでも、和也さんと娘さん達のために、辛い決断をしたんだとしたら……



「じゃあ、この話はおしまい

涼子のこれからのこと、考えなきゃね?」



桃子が頃合いを見計らって、そう助け船を出してくれる。



そうだね?と答えると、ありさも一緒にこれからのことを真剣に考えてくれた。
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