浮気の定理
「わかった、わかった

涼子だってそんなつもりじゃないんだから」



「そうそう、真由のお陰なのは本当だしね?

ねぇ、私に何かあった時にも助けに来てね?

頼りにしてるから」



桃子とありさが口々にそうフォローを入れるけれど、その顔は明らかに笑いを堪えてる。



「絶対、バカにしてるよね!

もういい、もうわかった

みんなになんかあっても絶対何にもしてやんな~い」



二杯目のジョッキを片手に、真由がそっぽを向いたのを、桃子が慌ててとりなした。



「嘘だって!真由?そんなこと言わないで?

みんなほんとに真由には感謝してるんだから」



大好きな桃子にそう言われたら、真由も機嫌を直さないわけにはいかないらしい。
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