浮気の定理
「なによ、急に……まさか浮気してるんじゃないでしょうね?」



そうありさが言えば、真由がえぇ~!と、大袈裟に驚いて見せる。



涼子は何も言えずにその様子を見守っていた。



桃子が倦怠期であることを涼子は知っていた。



だけどまさか浮気をするなんて……



確かに桃子は綺麗だし、スタイルだっていい。



独身だったらかなりモテていただろう。



ふと涼子の視線が桃子の左手に移る。



桃子がよく言っていた、虫除けであるはずの薬指の指輪がない。
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