浮気の定理
けれど向こうの条件はそれを許してはくれないもので……



養育費は成人するまで払い続けたいということと、X'masや誕生日にはプレゼントを直接渡したいというものだった。



養育費はともかく、花に会わせることを涼子は躊躇した。



あんなに怯えているのに、そんな約束を勝手にしてもいいものなのかどうかを……



けれどある日、花が言ったのだ。



パパ、元気かな?……と。



今までずっといいパパで、花はパパが大好きだった。



だから、あの怖いパパと優しいパパの区別がつかないんだろう。
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