浮気の定理
どんな父親でも、花の父親には変わりはない。



年にたったの2回でも、無理矢理引き離す権利は、自分にはないんじゃないかと感じた。



だから、涼子も一緒にという条件付で了承した。



涼子自身も少しは強くなってるはずだと、決意をして……



まだそれからたった一ヶ月ほどしか経っていないけれど、最初の養育費はもう振り込まれている。



勇は勇なりに、花への愛情を示しているんだろう。



それに今はまだ実家にお世話になりながら、仕事を探しているところだ。



花を立派に育てるために、エステティシャンの勉強をしながら働けるとこを探してる。



だから養育費はありがたく遣わせてもらおう。



涼子はようやくいろんなことにけじめをつけて、みんなみたいに前を向いて歩いていってるような、そんな気がした。
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