浮気の定理
「そういえば、山本くん
結構、いい男だよね?
気さくで優しいし、羨ましい」
思い出したように真由にそう振ると、相変わらず照れ隠しのように真顔でそうかな?と、とぼけてる。
「あ、私もそう思った
桃子の紹介なんだっけ?
こないだ会ったけど、ほんといい人そう」
ありさが涼子に乗っかって、真由をますます追い詰める。
「こないだね?
真由のお父さんに挨拶に行ったらしいよ?
お嬢さんとは真面目にお付き合いさせていただいてます!って」
「ちょっ!桃子!」
真由が慌てて制するけれど、時すでに遅し。