浮気の定理
桃子の口は果てしなく滑らかだ。



「真由のこと、ほんっとに大好き~って感じでね?

この子、ほら、危なっかしいじゃない?

私の時も、涼子の時も、頭で考えるより先に体が動くタイプだからさぁ」



「言えてる~、まあ、そのおかげで助かったんだけどね?」



涼子は控えめにそう肯定すると、ありさは気の毒そうに宙を見つめた。



「山本くん、ご苦労様だね?」



「こらぁ!黙って聞いてれば言いたい放題言ってくれるじゃない?」



「それでね?勇さんの実家に行った時も、送り迎えしてたらしいよ?愛されてるよねぇ、真由」
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