浮気の定理
「ずっと気になってたんですよ

好きなやつを友達に譲ってあげる優しい君のことをね?」



「あ…なた!聞いてたの?最低!」



「聞こえてきたんですけどね?」



「だからって、普通それを本人に言う?それともいつもそうなの?」



「仕事上、聞こえちゃうのは本当だけど、それを本人に言ったのは初めてですよ?桃子さん」



「なんっ…で!私の名前!」



「いつも一緒にいる小さい彼女がそう呼んでたから」



悪気のない顔で、頬杖をつきながらそう話す彼は、知らない人みたいで……
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