浮気の定理
前回、涼子は真由とありさにそっとしといてあげようと言っていた。



けれどもしかしたらそれは間違いだったのかもしれないと後悔する。



桃子はこんなにもボロボロで、誰かが手を差し伸べなかったら壊れてしまいそうだったから。



この様子では雅人との関係も、良くなってはいないのだろう。



あの日、涼子にくれた電話が最後の警告だったのだ。



気づいてあげなきゃいけなかったのに、それから連絡がないことで安心してしまっていた涼子は、罪悪感でいっぱいになった。



事態はあの頃より確実に悪くなっている。
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