浮気の定理
「やだ、ちょっと、そんな目で見ないでよ

まだそうと決まったわけじゃない……」



やっぱり……雅人さんが……



桃子も、自分で夫の浮気を認めるような発言をしたことに気づいたのか、途中で言葉を切った。



「疑わしいことがあったってこと?」



こういう時、突撃できるのはありさの強いところだ。



「……雅人のスマホ、見ちゃったんだ……」



「なんで!?スマホなんか見るタイプじゃないでしょう?」



涼子も驚いた。



桃子はいつもクールで、男に翻弄されるようなタイプじゃなかったからだ。
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