R Y U S E I
ガラガラっ
「あ、きた!!
なんなのよアンタ!!
雷神とどういう関係??!」
例の女の子が
この教室に入ってきた
らしい。
え、
同じクラスだったんだ。
ちょっとだけびっくり。
「…こいつは、
俺達、雷神の
姫だ。
絶対手ぇ出すんじゃねえぞ。
男でも女でも容赦はしねえ」
誰かが
代わりに答えてるんだけど、
これ総長様かな。
「光成様…」
お、当たり。
氷室光成(ヒムロコウセイ)
雷神の総長。
名前くらいは、
幹部までしっかり
覚えてますよ。
「光成様がこんなに
近くに…」
いや、
うっとりしてるところ
悪いんだけどさ。
君たち脈ナシだよ、
分かってんのかな。
総長様が、
じきじにに牽制しにくるなんて
よっぽど好きなんだね。
その、姫。
机に突っ伏していた
顔を少しだけ上げて
チラッ、と横目で
見てみる。
「ッ、…」
え?
まって、
いや、綺麗な顔してんなー
とは思ってたけど、
昨日の起こしてくれた人
雷神の総長だったの?!!
しかもさあ、
隣の姫
もしかしなくても
あれ、結菜じゃない?
あの子、昨日は
家で寝てたんじゃ無かったの。
やばい、
すごい面倒。
絶っ対に
関わりたくない。
また私は、
机に突っ伏した。