R Y U S E I
ザッ
っ、
やばい。
靴が地面と擦れて
音が出てしまった。
「誰だっ!」
ヤバイヤバイ
バレた。
いやほんとにツイてない。
どーすんの…
「誰だテメェ!」
この赤髪はえーと、
そう、
北京澄だった。
「っ、
あ、シオンじゃん!」
…結菜、お願いだから
名前を呼ばないで。
余計不審な目でみられる…。
やばい、本当にどーしよう。
「…は?
く…いや、なんでもねぇ」
え、新?
そういや昼から学校来るって
言ってたな。
しかも、いま久遠って
言いかけましたよね?!
バレないようにギロっと、
新をひと睨みしてやった。
すると、目で
お前何やってんだよって
訴えてきたから。
これは不可抗力だよ!
って訴え返してやった。
コラ、ため息ついてんじゃねぇよ。