R Y U S E I





「っ、
お前、あん時の…!

ゆい、知り合いか?」



「うん、友達」



あぁぁ、もう止めて。

あんなとこで寝るんじゃなかった、
確かにこんな地味な私じゃ
起こしたりなんかしてあげたら
そりゃ忘れないわな。



絶対態度悪かったよ私。


ちゃんと総長様に
媚びとけば良かった…。



ダメだ、


もうこの空気に耐えきれ
ないから帰ろう…。




そう思い屋上を出ようとした時、





「オイ」


北京澄に腕を掴まれた。



普通に痛いんですけど、
何なのこいつ。



「…何?」



北京澄は掴んでいる
腕にさらに力を入れた。




「てめぇみたいな一般人が
ここに来んじゃねえよ。


お前みたいなやつが
来ていいところじゃねぇから、ここ。


身の程をわきまえろ」



え、何なのこいつ。



チラッと新の方を見ると
今にも何かしそうだったから
黙ってろよと目で訴えてやった。



めっちゃイラついてるけど
それでいいんだよ、新。



こんな奴に何言われたって
気にならないから。





「ちょっと、京澄
やめてってば!!

私の友達っていったでしょ!」



結菜、私ほんとに何とも
思わないから
別に庇わないで大丈夫なのに。



「…いいよ結菜。

勝手にここに来た私が悪かった。


もう二度と来ないから、

じゃあ」



「っ、
シオン!!」



そう言って北京澄の
手を振り払ってそのまま
屋上を去った。



…面倒だな。



しかも掴まれたとこ
赤くなってるじゃん…。




私はため息を付いて
そのまま家に帰った。















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