R Y U S E I
はぁ?
まあ、別にいいんだけど。
北京澄は相変わらず私に
突っかかってくる。
1ヶ月もすりゃ出ていく私なんて
気にしなきゃいーのに。
「はァ……どうも」
なんとも言えず、
一応お礼の言葉は口にしておいた。
「実はぁ、昨日はシオンの
歓迎会のために皆で買い物行って
たんだけどね?
俺たちすっっごい人に
会っちゃったんだよ!!!
ねえ聞きたい??!
聞きたいよね?!!」
谷島凛が興奮して
前のめりになっている。
ふうん?
昨日のは私の歓迎会のための
買い物だったのか。
だったら、昨日は何もせず
倉庫にいてくれた方がよっぽど
ありがたかったな。
「いや別に」
「も~、つれないな!
いいよ、勝手に話すから!!
俺達、五十嵐大和に会ったの!!
ねえすごくない?!
俺もあんな人になりたいな~!」
「へ、へぇ…」
大和信者か…
こいつも馬鹿だな。
大和ってば、有名だからねぇ。
「へぇ~!シオンって、
驚かないんだねぇ~。
あの五十嵐大和に会ったっていうのに!」
意味深な言い方をする荻原銀牙。
何が言いたいのよ。
イライラさせるなぁもう。