R Y U S E I
「もう、ばか凛。
シオンが困ってるでしょ。
あんまり質問攻めしたらダメ」
「えー、だって気になっちゃった
んだもん!!
ゆい、怒らないでよ~」
「はいはい、怒ってないから
大人しくしてな?」
「はぁ~い」
やっと大人しくなった谷島凛。
最初から大人しくしてればいいのに。
「はァ……」
何でこんなことになって
しまったんだろう。
もうため息しか出ない。
はァ……
「……おい久遠、ため息」
コソコソと横から新が
話しかけてくる。
「ここではシオンって呼んで。
それになんなのここ。
……もうやってらんない」
はァ……
「族なんて皆こんなもんだって」
「こんなことになるくらいなら、
族なんて全部潰しちゃおうかな……」
「?!
あんま物騒なこというなよ!」
「こっちは、
気が滅入って仕方がないのよ。
こんなところにいたら
おかしくなりそう……」
「まあ、確かに……」
苦笑いしながら横目でみる新の
視線の先には、結菜の周りで
デレデレする雷神の皆様。