R Y U S E I
「っ光成!どうする?」
「チッ、仕方ねえ。
ゆいとお前はここに残れ。
絶対出るんじゃねえぞ!
お前ら、行くぞ」
「光成っ!大丈夫なの?」
「大丈夫に決まってんだろ。
ゆいは黙って俺に守られてろ」
そう言って総長様は部屋を
出ていった。
どうせなら帰らせてほしいのに。
攻めてきたって言っても
たかが30人程度。
幹部がわざわざ行かなくても
十分に対応できるはずなのにね。
「……シオン。
凄いね。皆は」
そう言う結菜の顔は
とっても嬉しそう。
あぁ、そうか。
守られることが嬉しいのか。
私には、分からない。
いくら友達でも私は
邪魔になったらいくらでも
切り捨てるだろう。
守られることの何が嬉しいのか
私には、分からない。
「……そうだね」
またもや私は曖昧な返事を
返した。
ゴメンね、結菜。