R Y U S E I
「もうこんな時間か…。
ゆい、送る」
総長が時計を見ながら立ち上がった。
「うん、ありがと」
結菜を連れて出ていこうとした時
ドアの前で立ち止まり、
私たちの方に振り返った。
「一応そいつも送ってやれ。
何かあってからじゃ
胸糞わりぃからな」
うそでしょ。
ありえない…。
やっと帰れると思った後のこの仕打ち。
一人で帰れるのに。
というより、帰らせてくれないかな。
「いらない…。
一人で帰れる」
「うるせぇ、
何かあってからじゃ
こっちが迷惑なんだよ。
お前は監視されてる立場なんだから、
文句はいうな。
俺達の足でまといにだけはなるん
じゃねえ」
チッ、
「…なるわけねぇだろ」
「何か言ったか?」
「何も。
じゃあ、私のことは
誰が送ってくれるわけ?
早く帰りたいんだけど」
ヤバい。
さっきは本当にキレそうだった。
私が足でまとい…?
ふっざけんじゃねえ。
「はァ…、俺が行く」
私がキレそうになったことに気がづいて
新が立ち上がった。
「いや、流石に総長と副総長が
抜けるのはまずい。
凛、お前が行け」
総長は谷島凛を指名して、
そのまま結菜を連れて部屋を出て
行ってしまった。
あぁ、なんて日なんだ。
本当に厄日だよ今日は。
「もう、光成ったら
人使い荒いんだから〜!!
じゃあ、シオン行こっか!!」
そう言って谷島凛は立ち上がって
部屋を出ていった。
「……はぁ」