悪魔の運動会


こいつ、誰だよ⁇


みんなの視線が痛かった。中には面と向かって訊いてくる不良もいた。でも、間宮くんが初めっから僕がここに居るかのように、僕を3年C組の一員として迎えてくれたんだ。


でもまさか__こんなことになるなんて。


たまたま一日だけ登校した日に、拉致され運動会を強制され、脱落者を自分たちで決めるなんて__。


「頼んだぞ」


間宮くんが肩を叩いてきた。


僕のことを、信用してくれている。


その気持ちに応えたい。


「女子は私と__久米さんで行くことにしたわ」


相原友子がそう言った。


当然の選出だ。残る女子は、寺脇リカしか居ない。


いくらイジメられたからといって、クラスメイトを簡単に葬り去るやつだ。


僕も最初は言い包められた。僕なんか居ないも同然だ。だからいつ投票されて落とされてもおかしくない。


だからリカの言いなりに投票したけど、もうそんなのごめんだ。


せっかくクラスの一員として迎えられた。


間宮くんを裏切ることはできない。僕はやってやる。


やってみせる‼︎


「ちょっと集まってくれ」


安藤くんが、みんなを呼び集めた。


一瞬、出遅れた僕のことも、手招きする。


紅組代表として、勝利を託されてるんだ。


だから必ず、勝ってみせる__。



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