悪魔の運動会


け、健⁉︎


突然、教室の窓から飛び込んできたのは、紛れも無い小林健だった。


投票により、失格となったはず__?


「こ、浩二‼︎助けてくれよ!」


俺の肩を鷲掴みにし、血相を変えて訴える。やっぱり失格になったんだ。だから、逃げてきた。


「周平!俺たち、ダチだろ?野球、ずっと一緒にやってきた仲間だろ⁉︎なぁ、なんとか言えよ!」


「健__」


「あ、茜なら助けてくれるよな?茜は俺たちのマネージャーだ、俺たちの母親代わりってよく自分でも言ってるし、俺、俺を、こっちに入れてくれるよう頼んでくれないか?あ、安藤、頼むよ?俺だけ、俺だけ別っておかしいじゃないか‼︎」


興奮してまくし立てるが、紅組の誰もが言葉さえ掛けることができなかった。


もう__どうにもならないからだ。


「俺だって助けられるなら助けたいけど」


「けどなんだよ!俺たち3人、いつも一緒だったじゃないか‼︎一緒に茜をっ」


急に言葉を切り、ハッと身を引いた。


教室に、猿とウサギがやってきたからだ。


「嫌だ、俺は行きたくない。嫌だ__」


首を振って後退りするが、さらに動物たちがやってきて、次第に包囲網を狭めていく。


「は、離せ‼︎離せよぉぉおおおお‼︎」


健の断末魔も、バチン‼︎とスタンガンで断ち切られた。



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