悪魔の運動会
「ルールを説明します。3人で騎馬戦の馬を作り、その上に大将となる騎手を乗せて下さい。大将は帽子を被り、お互いの大将から帽子を奪い取るか、または騎手が落馬した時点で負けとなります。それでは時間までに騎馬を造って下さい」
校庭に出ながら、説明を耳にする。
紅組の立花薫、伊藤明日香、寺脇リカの元に向かった。
俺を必要としてくれる、仲間のもとへ__。
「さすがに私は馬ね」
自嘲気味に薫が笑った。
でないと馬が潰れるだろう。
残るリカと明日香は背が小さい。バランスは均等なために馬は作りやすい。
俺が騎手となり、白組と戦うのがセオリーだ。
だが、それじゃ馬が崩れる可能性がある。特にリカが弱点となる。
相手と争うこともなく転倒して負けるなんてことは極力、避けたい。
「立花、前を任せていいか?」
「もちろんよ」
力強く薫が頷く。
8人の中で、誰より大柄な立花を馬の先頭にもってくることで、相手への威圧感は抜群だ。
正面からぶつかったとしても、力負けしない。
あとは、後ろの馬を誰にして三角形を作るのか?
明日香に根性と体力があるのは、大玉転がしで証明済みだ。
となると必然的に馬が出来上がってくる。
あとは白組がどんな馬を作るか__?
騎馬を作り上げ白組と対面した俺たちは、アッと驚くこととなった。