悪魔の運動会
*投票第8回目
【寺脇リカ】
私は悶々としていた。
気に入らないやつ__結局は全員なのだが、全てを葬り去ってやろうと息巻いていたが、なかなかその機会は来なかった。ようやく投票かと思ったら、どうやら私が失格者の対象らしい。
私としては、調子に乗って勝手に突っ込んでいった立花薫に非があると思うが、帽子を取られた私が悪い。
ほぼ無抵抗だったが、どうしようもなかった。
それはそれとして、問題は投票だ。
薫はダメだ。
あの脳みそまで凝り固まっている男女は、話を持ち掛けても無駄だろう。私を見る目で分かる。蔑んだ目。
そりゃ、お前みたいな力のある女には誰も手は出さない。
私みたいな小柄で力もない孤独な女が、イジメの対象になるんだ。
私の気持ちなんか、お前に分かるもんか。分かってたまるか‼︎
腕力なんて関係ない。お前を落としてやる。それだけの力が私にはあるんだ。
だから__。
「伊藤さん、私と組まない?」
実は私は、伊藤明日香に一目置いていた。
背丈がほぼ同じ。でも伊藤はなぜか樋口美咲とつるんでいて、話しかける機会がなかった。彼女なら、同じ非力な人間として、私の気持ちを__。
明日香がこっちを見た。
それは薫と同じ、侮蔑に溢れている。
その瞬間、私は悟った。
私にはもう既に、2票入っている。
それを覆すには__?