悪魔の運動会
【寺脇リカ】
「うそっ__うそうそうそうそ‼︎」
ついさっきまで笑い転げていた。
勝ちを信じて疑わなかったからだ。
だってそうでしょ?
安藤が勝ち残るより、私の方がいいに決まってる!
そのほうが断然、有利なんだからこれはきっと何かの間違いだ。しかも4票、全部だなんて有り得ない。
「もう1回やってよ!ちゃんと、落とすほうに入れるって説明してやり直してよ!こんなのっ__」
「寺脇リカ、失格」
「ちょっと‼︎人の話きいてんの⁉︎絶対に何かの間違いだから‼︎こ、来ないで!」
近づいてくる動物たちに怒鳴った。
こんなことが有っていいわけがない。
こんな茶番が__。
「正直、私も驚いたけど、それだけ全員が安藤を必要としているってことよ。勝ち負け関係なくね」
ばかでっかい女は、訳の分からないことを言う。
「逆に、誰も必要としてないのよ、残念だけど」
今度はチビな女がそう言った。私と同じチビなくせに‼︎
「やっぱりお前らは全員そうやって、私を蔑むんだ‼︎これまでみたいに、寄ってたかって私をいじめる、私は、私は何もしてないのに‼︎」
涙ながらに叫んでやった。
私のこれまでの苦悩と、痛みしかない学校生活をぶちまける。
「何もしてないからよ」
けれど返ってきた答えは、とても静かで穏やかなものだった。立花薫が続ける。
「あんたは何もしないでそうやって、他人のせいばかりにしてきたから負けたのよ。あんたには、1人も友達が居ないから。本当は心から欲しがってるくせに」
命を絶たれるより、厳しい言葉だった。
図星だったからだ__。