悪魔の運動会
【安藤直人】
雨だ。
降ったり止んだり、まるで今の俺の気持ちを表しているようで。
間宮に続いて、相原も居なくなった。
いつも側で笑っているのが、当たり前だった2人。
涼子とは相変わらず離れ離れ。
そして今から、涼子とも戦う時がくる。
最後の競技。
もし涼子が助かるなら、俺は喜んで犠牲になる。
俺は今でも信じている。
失格となったクラスメイトが、元気でいることを。
旬は俺と約束した。
「またすぐ会える」と。
あいつは約束を破るような男じゃない。
きっと、きっと会える。
この「悪魔の運動会」が終われば、なにもかも元に戻る。
バラバラのようで、その実、力を合わせて立ち向かうことができる俺たちのクラス。
元どおりになっているはずだ。
残す競技はあと1つ。
それで何もかもが決まる。
誰が勝ち残るのか?
その後、どうなるのか?
旬や相原、去っていった仲間と再び会えるのか?
その答えは、思ったより早く分かることとなった。