悪魔の運動会
【間宮旬】
逃げられるか⁉︎
廊下を歩きながら、俺は抜け目なく視線を走らせる。
拘束されてはいないものの、両脇を屈強な動物たちにがっちりと挟まれ、身動きが取れそうにない。
それに__すでに失格となったクラスメイトがどうなったのか?知りたい思いも強かった。
失格だからといって、そう安安と殺されるなんてことはないだろう。
渡り廊下を越え、校舎の奥へと進んでいく。
冷たい風とともに、どこか懐かしい臭いが鼻をつく。
これは__塩素?
どんどん臭いが強くなってくる。
普通の教室?
扉が開き、小突かれるようにして中に押し込められた。
「間宮⁉︎」
ハッとお互いが目を合わせる。
そこには、これまでの競技で失格となった仲間が、身を寄せ合って座っていた。
俺の名を呼んだのは、野々村哲也だ。
俺の策に引っかかり、まんまと失格となった恨みからか、俺を睨みつける。
その前に倒れているのが__戸田裕貴だろう。
伊藤明日香だけでなく、うさぎにもボコられた裕貴は、息をしているが動かない。
リカに落とされた世古佳恵や、植松理沙もいる。
「みんな、無事だったんだな⁉︎」
そう言ってホッと胸を撫で下ろしたが、なぜか誰も俺と目を合わせない。
よそよそしい空気が立ち込めた時、俺はふと気づいた。
「__そういえば、信吾は?」