悪魔の運動会
【野々村哲也】
敗者復活戦?
ということは、助かる可能性があるってことか?
促されるまま、反対側のドアから外に出ると__。
「プール?」
学校に設置されている、25メートルのプールが目の前に広がっていた。
おそらく、これで速さを競うのだろう。
それならそれで、1秒でも早く始めたい。
俺が失格となって連れてこられてから、まだ裕貴は目を覚まさない。
できることなら、このまま2度と覚まさないでほしい。
だからさっきも床に倒れていたのを、そのまま放ってきた。
それなのに動物たちがプール際までご丁寧にも運んできて、いつ鬼が暴れるか分からない。ましてや、俺が投票したのを恨んでいるはずだ。
「全員で向こう岸まで、泳いで競って頂きます。1番早く到着した1名を敗者復活戦の勝者とし、これより行われる最終競技に参加して頂きます」
やっぱり思った通りだ。
俺は泳ぎには自信がある。
この中で俺と勝負できるのは、間宮くらいだろう。
あとは__後ろを振り返ると、裕貴はうつ伏せでグッタリしている。これなら目を覚ます心配もない。
「ま、間宮くん⁉︎」
最後にやってきたのは、相原友子だ。
最後の脱落者というわけか。これで役者は出揃った。
あとはスタートの合図を待つのみ__。