悪魔の運動会
【安藤直人】
旬だ。
敗者復活戦を勝ち上がって、再び俺たちの元に舞い戻ってくるのは[間宮旬]だ。
6人目のメンバーとして、最後の競技を争う最大のライバル。
1番の敵であり、1番の仲間。
だって約束しただろう?
また会おうって。
すぐに会えるって。
あいつは、約束は守るやつだ。
それは俺が1番よく知っている。
だから、あの霧のカーテンの向こうにいるのは__。
「よう」
ほら、そう言って軽く手を上げた。
俺の言った通りだろ?と。
俺は言葉を返す代わりに、同じように軽く手を上げる。
また拳と拳をぶつけ合おうか?
俺たちはそれだけで語り合うことができる。
これまでもそうやってきた。
そしてこれからも__。
風が、霧を晴らしていく。
雲の切れ間から覗く太陽が、敗者復活戦の勝者を照らし出す。
太陽さえも祝福してくれるんだ。
それは俺たち全員の心の表れのよう。
照れ臭いが、がっちり抱き締めるとしようか。
あいつは嫌がるけれど、それくらいしてもいいだろ?
出迎えるために一歩、近づく。
雨がやみ、勝者が姿を現した。