悪魔の運動会


に、逃げないと‼︎


うさぎの体を飛び越え、教室から出ようとしたが。


ふと立ち止まる。


どこに逃げる?


それに美咲は?


美咲を連れて逃げるにしても、今は無理じゃないか?


今はまだ__。


僕は戻って、うさぎの頭を取った。


見知らぬ男だ。


まだ屈強な男たちが動物に扮して、学校内にうろうろしている。


今、動くのは得策じゃない。


身を隠したほうが?この死体も隠さないと。でも、そうするとすぐに気づかれて騒ぎになる。


それじゃ__?


僕は、男を見下ろしていた。


きっと、無表情だったと思う。


入れ替わればいい。うさぎの着ぐるみならバレない。


男との体格差はほぼ同じ。でもそうすると、1つ問題がある。


失格となった僕を、どうするか?


逃げられたとなると、いくらうさぎに化けてもバレるだろう。


完璧にうさぎになるには、僕、大野信吾を始末しないといけない。


絶対にバレないように__。


うさぎの着ぐるみを脱がせる。


そして僕は、部屋の片隅に置いてあった消火器を手に戻った。


男のもとへ。


冷たい冷たい消火器。


僕は__男の顔に振り下ろした。


べしゃり。


なにかが折れ、砕け、凹んだ。


まだだ。まだ不十分。


大野信吾だと、見分けがつかなくなるまで潰さないといけない。


男の顔を。


僕は何度も何度も、消火器を打ちつけた__。



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