悪魔の運動会
*投票第1回目
【立花薫】
「それでは、投票を行なって頂きます」
投票⁇
教室に戻った私たちは、ビクリと立ち止まった。
アナウンスにギョッとしたのもあるが、あれだけ裕貴が滅茶苦茶にした机や椅子が、きちんと並べ直されていたからでもある。
そして机の上には__。
タブレット?
「それぞれ出席簿順にお座り下さい」という声に従い、恐る恐るといった風に椅子に座った。
私の目の前の端末には、私以外の白組の名前が映し出されている。
「これから皆さんには、先ほどの競技から失格者を1名、投票して頂きます。最も票数が多かった者が失格となります。制限時間は1分。なお、投票しなかった場合は無記名投票とし、自分自身に1票が入りますのでご注意下さい。それでは投票、スタート」
合図とともに、画面右上に記されている時間がカウントダウンされていく。
「えっ⁉︎」という全員の動揺が広がるが、御構い無しに数字は減っていく。
制限時間内に投票しなければ、自分に票が入る。もし失格になれば__。
私は迷うことなく【大野信吾】の名前を指先でタッチした。
すると画面が切り替わり、本当に投票しますか?
【はいorいいえ】が大きく目に飛び込んでくる。
人差し指で【はい】を押す__。