悪魔の運動会
*投票第2回目
【相原友子】
「すまん。俺の責任だ。俺が早まったから__」
間宮くんが、私たちに向かって頭を下げる。
「そんな、間宮くんのせいじゃないわ‼︎負けたフリするなんて、卑怯よ‼︎こんなの、認められない‼︎」
キッと白組を睨むも、もう勝敗は決してしまった。
一度は勝ったとばかり思ったが、再び綱を引かれると、それを食い止めることはもうできなかった。
「いや相原、それだけ向こうも負けたくなかったんだ。仕方がない」
「でも__」
いくら安藤くんの言うことでも、今回ばかりは素直に頷けなかった。
けれど、身近なところで新たな火種が勃発した。
「あんたのせいよ‼︎私、あんたが綱を離すの見たんだから‼︎」
声を荒げるのは、世古佳恵だ。
「私も見た。あんたのせいで負けたんだからね‼︎」
植松理沙が激しく責め立てる。
「そうよ‼︎あんたが離したせいよ‼︎あんたが失格よ‼︎」
「私、そんなこと__」
今にも消え入りそうな、寺脇リカの肩を佳恵が小突いた。
いつもこの2人は、リカにきつく当たるところがある。
「ちょっとやめなさいよ‼︎」
私は間に入り、尻餅をついたリカを助け起こした。
__えっ⁉︎
涙を浮かべて震えている、リカの手を握る。硬く拳が握られている手から滴るのは__。