少女と出会いの逸話

「貴方が森のオーサマ?とてもきれいなおうちなのね、素敵だわ」

にっこりと笑いながら少女は森の王に言った。だが王はその言葉に愛想笑いの一つもしなかったが、少女は立て続けに無関心層にこちらを見ている王に問うた。

「どうしてそんな綺麗なお顔を隠すの?もったいないわ、それにそれじゃあまともに顔を見て話すこともできやしないし、こんなに綺麗なおめめをしているのに、本当にもったいない」

やっと立ち上がりながら少女は言ったそう問いながら(あ…森の王は背が高いんだ…普通の大人より背が高い…のかな…?)と考えていた。

スカートについた埃を所々に赤く痛々しい血をにじませた手で払い去った。

けれど王はまたもや少女の問いには答えない。かわりに静かに一つ溜息をついて、少女が問うた事とは何の関係もなことを話し出す。

「…どうしてお前は手枷や足枷のようなものを付けている?何か悪いことでもしたのか、小さい人の子よ」

心配しているのか、ただの興味なのかよくわからないこえで眼を細め少女に聞く。
少女は嫌そうな顔も悲しい顔もせずただただ笑ったままその問いに答えた。

「私ねこっからちょっと離れた国の奴隷さんだったのよだからつけられてるの、でもなんでいまは外れてこんなとこに居るのか分らないのよねー、忘れちゃったの、私」

少女は自ら自分は記憶喪失で、元奴隷だったと語る。

その言葉を聞いたミミズクは少女の頭の上でばつの悪そうな顔をして、まるで「そんな惨いことを…かわいそうに」といいたそうに下を向く。
夜の王はただ無言で再び眼を細める。まるで「だから人間は嫌いなんだ」というように

だが少女はそんな二人の顔を見てにっこりと笑ったまま首を傾げる。まるで「私おかしな事言ったかしら」というように。
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