神様お願い 僕を殺してください
よいしょっ。と、彼は逃げる女性を頑張っておいかけている。女性は階段を登って2階へあがった。

「これも天使の仕事じゃないか。羽根を奪うなんてあんまりだ!」
ぜぇぜぇと、荒い息を立てている彼に、神様は言葉をかける。

「君が私から天使失格を銘打たれ、人間になったあの日。あの日も君は『天使失格の理由がわからない』と言いましたよね?」
「言ったよ。っと、やっと2階か。」

2階へ着き、女性の背中を見つめながら彼は思い出した。
「……あの日のこと。はっきりと覚えてる。」
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