スタードロップス
「君がコンクールに落ちたせいで、
お母さんと上手くやっていけなくなったの?」


うん…という掠れた声は
乱れた息が邪魔をして、
うまく話せていなかったかもしれない。


「なら、今からもう一度やろうよ。」


呑気なような、愛おしいような、
明るく照らしてくれる星のような笑顔で、
君が微笑む。


私をどこかに連れて行って。
その願いは叶うのかもしれない。


そのどこかはどこなんだろう。
きっと、明るくて、優しい、
満天の星のような光が差すような
そんな場所なんだろう──。


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