先輩、大好きです。
「おい、なにしてんの?
…ないてる⁉︎
ん?
由奈?…由奈だよな?」
「私は由奈ですけど…。
てか、泣いてません!
貴方、誰ですか?」
わけのわからない人に捕まってしまった。
こんなことになるなら、いつもと同じルートで帰ればよかった。
「俺?
わかんねーの?
櫂!佐々木 櫂!
お前の隣の家に住んでた!
お前、ほんと変わんねーな。」
そう言ってあの日と同じ笑顔で微笑んでいた。
「櫂⁉︎
ほんもの!?
櫂も変わんないじゃん!
どうしたの?
なんでここにいるの?」
「お前に会いに来た。
…なーんてね。
大学そこやけんな。
ここの辺に住んどんや。
なぁ由奈、あの時の返事、あのまま変わらんの?」
あの時、あの返事…。
きっとあの事だろう。
「うん。
ごめんね、櫂。」