3年後、あの約束の続き
ホログラムシートを買って、私と章は駅に向かって歩きはじめた。

「どうする渡辺さん。帰った方がいいんじゃない?
 顔色悪いし、早く休んだ方がいいよ」


章の言葉はごもっともだ。
さらにこの渋谷の人ごみに耐えるのは辛い。

「じゃあ私は直帰を…」

そう言いかけた所で-サイレンが鳴る。



ウー カンカン ウー カンカン


-嫌な音。


「火事?大丈夫かなぁ」

章がそう言っている間に-消防車が私達を追い越す。
私は一瞬-視界が歪んだ。

(嫌だ・・・嫌だ・・・)

やっぱりどうしても-思い出してしまう。


「・・・渡辺さん、大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫・・・です」

何とか正気を保って、駅へと続く道を歩く。
そこの角を曲がってまっすぐ行くと駅へ着くはず。

でもそこの角を曲がったところで




-ガシャン、という音と共に、ビルから炎が上がる。


(・・・ヤメテ)

頭の中が、フラッシュバックする。


(嫌だ・・・嫌だ・・・)

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