3年後、あの約束の続き
私は何も聞こえない、何も見えないまま章に引っ張られて歩く。

数分歩いたら、何か建物に入る感覚があった。
章は数回立ち止まった後、ゆっくりと私の耳を塞いでいた手を解く。
そして、なにやらガチャガチャと部屋の扉を開けている。

扉が開いたかと思えば、私を部屋の中に押し込んだ。


「ここは・・・?」
私はすっぽりと被っていたジャケットを取った。
辺りを見渡せば、ベッドが1つだけ。

「さすがに帰すわけには行かないから、そこにあったホテルに」

つまりラブホか。


「ごめん、なさい・・・」

私は何も言えない、何も言い訳できない。


章は私の肩を押して、ベッドに座らせる。
そして章も私の隣に座った。


「・・・何か、俺に隠してる事はない?」

私の顔を覗き込んで、まっすぐに目を見て聞いた。
< 106 / 289 >

この作品をシェア

pagetop