3年後、あの約束の続き
今日は、1日だけ約束を破る日。

ばあば様に会いに行くと決めている日。


‐ばあば様の、命日だ。


電車を乗り継いで、『あの町』の近くまで行く。

都内からは、電車で数時間。
杜若の花束を持って、電車にゆられる。

目的の駅に到着すると、太陽はもう沈みかけていた。

駅から歩いて15分程、総本山とかそう言った名の付く寺院に到着する。
そこから更に、歩いて数分。
寺院が管理する墓の一角に、ばあば様は眠っている。

ばあば様だけではなく、瀬崎一家の歴代全員が眠る墓。


いつか章もここに眠るのだろうか。
‐私じゃない、誰かと一緒に。


そう思うと、苦しくなる。
仕方のない話だけど。


私はいつも、日が沈んでから訪れる。
誰にも会わないように。
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