3年後、あの約束の続き
訪れるといつも、綺麗に花が生けられている。
章の親戚が、定期的に管理をしているのだろう。
杜若の花束を置いて、ばあば様の墓に手を合わせる。
目を閉じると、ばあば様の優しい笑顔が浮かんでくる。
「ばあば様、ごめんなさい」
私は過去との向き合い方がわからない。
章に、嘘をついている。
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
「やっぱり、君だったんだね」
ドクン、と心臓が波打つ。
章、だ。
「親戚が教えてくれたんだ。いつもばあばの命日に、誰かが杜若の花を備えて行くって」
章はコツ、コツ、とゆっくり私に近付く。
「『あの日』君は病院から姿を消した。その理由ぐらいは聞いてもいいだろ?」
私はゆっくりと立ち上り、振り返る。
「なあ、エミ。君はなんで『まなみ』なんだ?」
空が綺麗な紫に染まる、黄昏時。
この場所には私と章の2人だけ。
‐もう、逃げられない。
章の親戚が、定期的に管理をしているのだろう。
杜若の花束を置いて、ばあば様の墓に手を合わせる。
目を閉じると、ばあば様の優しい笑顔が浮かんでくる。
「ばあば様、ごめんなさい」
私は過去との向き合い方がわからない。
章に、嘘をついている。
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
「やっぱり、君だったんだね」
ドクン、と心臓が波打つ。
章、だ。
「親戚が教えてくれたんだ。いつもばあばの命日に、誰かが杜若の花を備えて行くって」
章はコツ、コツ、とゆっくり私に近付く。
「『あの日』君は病院から姿を消した。その理由ぐらいは聞いてもいいだろ?」
私はゆっくりと立ち上り、振り返る。
「なあ、エミ。君はなんで『まなみ』なんだ?」
空が綺麗な紫に染まる、黄昏時。
この場所には私と章の2人だけ。
‐もう、逃げられない。