3年後、あの約束の続き
平和な日々が訪れてしばらくすると、章の一時帰国が決まった。


私達が『3年後』と言っていたのには訳があって、早苗お姉ちゃんは日本の大学に進学を希望していて、章も一緒に帰国するということを考えていたからだった。

結局章は日本で暮らす許可は降りなかったが、早苗お姉ちゃんと一緒に一時帰国することになった。


「2日間だけ会える」
この言葉を聞いた時、どれだけ私が喜んだことか。



「章が来る日、お母さんは病院に行くことになっていて、その後お父さんと2人で東京のデパートへ行く予定だった」
午前中に両親は揃って出発し、私は1人で章を待っていた。

待っている間、それはもう浮かれてソワソワしていた。
この日の為に、バイト代で白いワンピースも買った。
ふわふわとした‐まるでウエディングドレスみたいだと1人ではしゃいでいたのだ。


(そろそろかな?)
章を乗せたバスの到着予定時間が近づいていた。

私は昼ごはんが喉を通らないぐらい待ちきれず、準備をはじめていた。


‐その時、事件は起きた

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