3年後、あの約束の続き
軽く全員が名前だけを言う自己紹介を済ませて、各々席へと戻った。

章はずっと、部長と話している。
きっと次の展示会の話だろう。

「ねえワタナベさん、漢字どう書くの?」
部長が席を離れると同時に、私に話しかける。

「普通の渡辺ですよ。1番多くて簡単な『部(ぶ)』じゃない方です」

「じゃあまなみは?」

「ひらがなですよ。ひらがな3文字」

そう言うと「そうなんだ・・・」と少し低いトーンで言った。
心の底で、がっかりしているんだろうか。

「同い年って言ってたね?何月生まれ?」


・・・やばい、攻められている。

「ひょっとして・・・口説かれてますか?私」
そう言って少し鼻で笑ってみせる。

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