3年後、あの約束の続き

朝がきた。
朝がきても、章は私を離してくれない。

体温が心地よくて・・・ずっと繋がっていたい。
そう思うほど、愛おしくて仕方がなかった。



気が付けば、もう午前が終わる時間になろうとしていた。
「おなかすいた・・・」
そう呟くと「俺も」と返ってきた。

「パン焼くからシャワー浴びてきて」
それを聞いて、私はブランケットにくるまって立ち上がった。


「あ、ワンピースどこ?」
そう言って振り返ると-章は目を伏せた。

「ソファーにあるから早く行って・・・」

「何で?」

「ベッドから出したくなくなるから・・・」
そう言って私に背を向けた。


「エロ魔人め・・・」

「10年おあずけさせた人が何を言う・・・」

「はいはい」

章ってこんながっついた感じだったっけか・・・。
そう思いながら、私はそそくさとバスルームへ向かった。
(さすがに、風呂とは言えない物件だ)


シャワーを浴びていても、体に章の感触が残ったまま。
昨夜からの出来事を反芻しては、幸せに浸っていた。


好きな人と触れ合えるという1番の幸せを、ようやく手に入れた。
そんな気分だ。

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