3年後、あの約束の続き
「ずっとブラジルで翔太を育てる自信がなかったし抵抗もあって・・・翔太の物心つく前に戻って来ようって思ったの。
 まぁこの子は2重国籍になっちゃったけど」
お母さんの言う通りだ。
それで私も日本で生きて行く事を決めたのだ。


「ま、お母さんがずっとブラジル居たら・・・腐ってたよ」
私は当時を思い出して言う。

章は「どういう事?」と聞くが・・・お母さんは「やーめーて!!」と中断させようとする
「お母さん・・・今更、章に嘘は言えんでしょうに・・・」
そう言うとお母さんは黙った。

「あのね、章・・・ブラジルでお手伝いさんが毎日来てたんだけど・・・この人なーんにも英語もポルトガル語もできなくて。
 私がずーっとお手伝いさんとの通訳してたのよ。カマかけて家事も何もしないし・・・」

ブラジルに居る頃、お母さんは・・・全て家の事はお手伝いさん任せ。
言葉は私任せ。


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