3年後、あの約束の続き
確かにその分、お母さんは翔太の子育てには集中できたとは思う。
私もほぼ強制的に、ポルトガル語が喋られるようにはなった。
何とかコミュニケーションを取ろうと、嫌という程勉強したからである。
その後お手伝いさんとは、個人的にポルトガル語も教えて貰えるようになる程仲良くなった訳だが。


だから日本に帰ってきたときは・・・わりと家は悲惨な状況に陥ってしまったのである。
お母さんは慣れない家事と育児に一杯一杯になってしまい、立て直すのに時間がかかった。
私も家事を分担して手伝った。


「やっぱりねー1回甘えちゃうとねー」
お母さんは懲りない。


「まあ、確かに母さんは・・・甘えられる環境だったからなあ・・・」
お父さんも遠い目をしている。



章と言えば「俺の理想の家族が・・・」と呟いていた。

章の理想であることは結構だが、しっかりとしてもらいたいものだ。


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