3年後、あの約束の続き
「で、俺はこれを言いにきたんですよ」

「何だい?章君。嫌み事なら喜んで聞くよ」
お父さんは一瞬身構える。


すると-章は1度深呼吸して、こう言った。


「俺たち、結婚していいんですよね?」


「はい?」


両親の目が点になっている。

「誰と?!」

私は身を乗り出す。


「誰とって・・・俺ら2人だけど」


「はぁ?・・・意味わかんない!」

「意味わかんないじゃないだろう。何?まさか・・・しない気だったの?」


しないも何も・・・結ばれたのは昨日の今日の話である。
章は当然と言った感じで、あっけらかんとしている。


「おじさん、おばさん。いいですよね?もちろん」
私の気持ちをよそに、章は話を進める。


「まぁ貰ってくれんなら」
「ちょっとお父さん!」

「いやー夢だわー・・・イケメンの幼なじみと再会して結婚だなんて・・・」
お母さんの目は輝いている。


やばい、味方が居ない。


「じゃあ決定ですね。これから正式に色々決めていきましょう」

そう言って章は、仕事用の営業スマイルを浮かべた。


やばい、周りを固められている。
別の意味で、逃げ出したい。
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