3年後、あの約束の続き
「あの、みなさん・・・私の意見は・・・」
「ん?大丈夫だよ多分」
章よ、なぜそう言い切るのだ。
「おねぇちゃん、私はおねぇちゃんの年齢で結婚してたしあなたも産んでたわよ」
確かにお母さんの意見はごもっとも、ではあるが。
「展開が、早い」
はぁ、と思わずため息が出る。
いじけるように頬杖つくと、章は不満そうに横目で私を見る。
すると‐「あっ…」と章が何かに気付いて壁に視線を向けた。
「あれ写真?壁にあるやつ」
うちのリビングの壁には、写真を沢山飾っている。
「アルバム色々持ってくるよ、待ってて」
お父さんが立ち上がって、書斎に向かって行った。
章も立ち上がって、壁の写真たちを眺め始める。
「これはブラジルに居るとき?おばさんのお腹大きい」
「あーそう、これは向こうのお手伝いさんと。私の誕生日だね」
「これは・・・翔太?」
「うん、翔太の幼稚園入園」
壁の写真は、年々増えて行っている。
大切な家族の記録だ。