3年後、あの約束の続き
章は座って、アルバムを1枚1枚めくっていく。


「これが1番古いやつ?」

それは‐ブラジルに渡ってすぐの、インターでのイースターイベントの時だ。


「そうだね。それより前は全部、燃えちゃったからね」
お父さんは寂しそうに言って笑った。

章は少し微笑みながら
「俺、一部なら持ってきてますよ。今度焼き増しして渡しますね」

「本当に?ありがとう」


「ついでに・・・」
章がクスッと笑って私を見る。

「君が携帯に送ってくれたメールのデータも、パソコンの中に…」

「なんであるの」
もはや黒歴史に近い。


「いらないの?自撮りした写メとか…」

「いらな……て翔太おかえり、瑠奈ちゃんも」


翔太が知らぬ間にリビングのドアから、こちらを覗いていた。

翔太の後ろに、隠れるように翔太の友達‐瑠奈ちゃんがいる。
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