3年後、あの約束の続き
瑠奈ちゃんが帰ると、時間が夕方に差し掛かろうとしていた。
せっかくなので、寿司の出前を取って早目の夕飯にすることにした。
我が家では珍しい出前である。

翔太は久しぶりのお寿司に「やったー!」と喜んでいる。

「翔太はお寿司好き?」

章は年下の男の子が新鮮らしく、翔太にやたら構う。

「うん特にまぐろ!」

「じゃぁ俺のあげるよ」

章が翔太を甘やかしている。
さすがに章はお兄ちゃんぶりたいのか、打ち解けるのが早い。

お母さんはそれを見ては「章君、あんまり甘やかさないでね」とため息をつく。
実際翔太はお父さんがベッタリ甘やかしすぎているので、いつも叱る役は私かお母さんだ。

お父さんは・・・翔太を取られた為か、少し淋しそうにも見える。
でも「章君とまた食卓を囲めるとは」と少し嬉しそうでもあった。
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