3年後、あの約束の続き
荷物を車に詰め込み、私達は出発することにした。

「じゃぁ弁護士の先生には、私から連絡しておくわ。
あなたたちは、心配しないで」

そう言ってお母さんは私達を送り出した。
ただ・・・内心、両親もヒヤヒヤしているかもしれない。

「なぁ・・・俺、そもそもどうなるんだ?過去のこと知ってしまっただろ」

私はうーん、と考える。
「だからそれが不安で。あの一族の嫌な噂は聞くしね」
私らは金を握らせた分、何かしない限り害はないだろう。


ただ‐章はどうなるんだろうか。


「・・・大丈夫なのか、君ん家」
章の声のトーンがぐっと下がる。

「ま、さすがに悪いようにはしないと思うけど・・・どうなるかね」


運転する章は不安そうな表情をしている。

「でも何?連れて世界中一緒に逃げてくれるんじゃないの?」
そう言うと、章は私の頭に手を置く。

「そうだね、俺らは結婚するんだよ。わかってる?」

「あんまりわかりたくないけど」
やっぱり結婚する気なのか。この人は。
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